カトレア、シンビジウム、デンドロビウム、パフィオペディルムを解説します。

カトレア

原産地中南米
花期春咲き、夏咲き、秋咲き、冬咲きがあり、四季おりおりに花を咲かせる。
冬越し最低10℃。できれば13-15℃あると良い。
特徴着生ラン。
現在栽培されているものは、乾燥に強いレリア、唇弁の立派なブラサボラ、
寒さに強いソフロニティスなどとの属間交配種が多い。

カトレアの中で小型のものをミニカトレアと呼びますが、カトレアには近縁種が多く、属の数だけでも20数属あります。そして、これらの間で交配がかのうで、属間交配によって120もの人口属が作り出されています。
このように、属間交配種が容易にできるのは珍しいことですが、洋ランには他にも、オンシジュームやバンダなどに近縁族のグループが見受けられます。
一般にカトレアと言われている花は、本当のカトレア属の種類以外に近縁属のレリア、ブラッサボラ、ソフロニティスなどの交配種が多いのです。そのためエポデンドラムのようにカトレアらしくない花もあるが、全てカトレアの仲間です。

ミニカトレアと言われるものは、多くのカトレアの中で、葉先までの草丈が20cm以下のものを対象とする場合が多いのですが、株の生成状態や茎葉の状態によって、同じ種類でも制限以内であったり、それ以上になったりすることがあります。30cmぐらいまでのミニより大きなものを、ミディとか中ミニなどということもあり、それらを含めてコンパクトカトレアと呼ぶこともあります。
原産地は中南米であり、メキシコ、コスタリカから南米のベネゼエラ、コロンビアの山地です。1000m以上の高い高山に自生している種類が多く、ミニカトレアには低温性の種類を選ぶことが大切ですが、高地性の種類を親とした交配種のなかに、適したものがたくさんあります。
カトレアの中には多くの種類があり、花は四季それぞれに咲きます。種類を選ぶことにより、一年中どれかが咲いているようにすることができます。なるべく開花期の異なる種類をたくさん集めることをおすすめします。

シンビジウム

原産地おもに東南アジア
花期2月から5月
冬越し小・中型種は最低5℃から6℃、できれば10℃から12℃。
大型種は最低10℃から13℃。
特徴シュンラン、カンランと同じ仲間。
大型種と、小・中型種に分かれる。

シンビジウム属は、インド北部からミャンマー、タイ、インドシナ北部に主な種類が自生していますが、さらに東南アジア一帯に広がり、東洋ランといわれる小型の種類は、中国から日本にかけて自生しています。洋ランの世界でシンビと呼ばれている種類は、ヒマラヤの南麓を中心に自生している大型種を改良したものが主体でした。しかし、最近では東洋ラン系のキンリョウヘンなどを交配した小型種が作出され、多量に栽培されています。
また、小型のシンビジュームと大型種との交配も進み、これらは中型シンビジュームと呼ばれています。しかし、小型から大型まで連続的にいろいな種類があるので、この区分はかなりあいまいで、大体の目安と言うことです。
これらの熱帯性の種類は、メリクロン(成長点組織培養)苗によって多量生産され、普及してきましたが、シュンランなど東洋ラン系の、葉縁がざらざらしている種類は、メリクロン苗がつくりにくく、普及が遅れています。
大型種は熱帯地方に自生しているため、栽培には温度が必要です。一方、小型種は耐寒性の強い種類が交配されているので、低温で育てられ、室内での簡易栽培に向いています。最近のテストでは、耐寒性の強い種類は、東京付近では屋外栽培に耐えるものもあるほどです。

デンドロビウム

原産地インド北部、ミャンマー、タイ、日本など。
花期2月から4月
冬越し最低5℃から6℃
特徴デンドロビウムの中でも最も親しまれているのが、ノビル系。
原種のノビルとそのなかまを交配親としてつくられた。
日本産のセッコクを用いた交配種も多く、寒さに強い。

ランの中でももっとも日光を必要とする。新芽の伸びる生長期には、株元まで日光を十分に当てる必要がある。日光不足になると、根張が悪くなり、弱々しい株になってしまう。夏でも風通しさえよければ、直射日光においても葉焼けを起こさない。できるだけ日光と風にあて、太くて長い茎にそだてると花つきがよくなります。
新芽を伸ばすには水が必要ですが、与えすぎると根腐りを起こします。水ゴケの表面が白っぽく乾いたら、たっぷり水を与えるのが良いでしょう。乾きすぎは良くないのですが、いつも湿った状態にすると根を痛めることになってしまいます。根が伸びきるには、水ゴケが乾くことが必要であり、渇きと湿り気を交互に与えるような、そんな水やりが必要です。

パフィオペディルム

パフィオペディルム属はインド、中国から東南アジアに自生している地生ランで、約70種類が知られています。花粉のつく場所が2ヶ所あることも特徴的です。リップは袋状をしていますが、食虫植物ではありませんし、水をためるものでもありません。
地生ランの常で、実生もメリクロンも困難でしたが、実生は実用上さしつかえなく、できるようになりました。そのため、繁殖は株分けが実生法によるので、メリクロンのできる種類とは扱いが異なっていて、特定優良個体の苗は効果なものとなっています。ミニパフィオペディルムとは、これらの中で小型のものをさしますが、あまり一般化された言葉ではありません。パフィオペディルムは、長い花の先に一花を咲かせる種類が多く、バルブをもたない葉はあまり背が高くならず、20cm以下のものもかなりあります。花が地味な種類が多いので、一般受けしないところもありますが、栽培のベテランに愛好家が多いようです。
育て方としては、低温に耐える種類が多いので、冬の最低温度は10℃くらいで栽培できます。また、弱光と多湿を好むので、軟腐病の防除が大切になりますが、室内の簡易栽培には適した性質です。温度の問題は、栽培ケースを使用することで解決できます。

冬に開花するものが多く、開花後は休ませて春の生育開始を待ちます。4月になると、温度不足の室内栽培の株も、生育を開始します。春は植え替え適期ですから、必要に応じて作業を行い、栽培を続けます。
春から秋は、乾かないように水を与えます。肥料は2000倍に薄めた液体肥料を月に数度、水やりの代わりに施します。夏の暑い時期は、病気を出さないように、風通しがよく涼しい場所に置きます。涼しい秋になると、花芽が見えてきます。あまり寒くならない10月に室内に取り込み、前年同様に栽培を続けます。比較的丈夫な種類が多いので、やがて花が咲くでしょう。

【参考文献】
園芸ハンドブック「ラン」 山下弘一著、ミニ洋ラン 新井清彦著、洋ランつくりのコツのコツ 岡田弘著、洋ランの病害虫除去 福田輝明著